妻にがんが見つかり長期治療へ
私がなかなか次の働き口を見つけられないあいだ、妻はスーパーの品出しのパートで働きながら、一生懸命に家計を支えてくれました。
彼女だって高い競争率をくぐり抜けてあの会社に入社し、新人ながらに商品企画部でバリバリと頑張っていたキャリアウーマンだったのです。
本来であればまだまだ働きたかっただろうに…私の独りよがりなワガママで長いあいだ家のなかに閉じ込めてしまっていたのです。
そんな彼女が薄暗い倉庫を長時間行ったり来たりするだけの単純作業の毎日では、とてもやりきれない気持ちだったでしょう。
それでも妻は文句ひとつ言わずに「やりたい仕事をゆっくり探せばいいからね」と焦る私を優しく励ましてくれていたのです。
…しかしそんな中、妻に“がん”が見つかってしまったのです。末期とまではいかないものの、かなり進行した乳がんでした。
妻はだいぶ前から違和感を感じていたのでしょう。忙しさから放ったらかしになり、ようやく訪れた検診でそのがんは見つかりました。
妻は手術をともなう長期的な治療にはいり、私たち家族の収入はとうとうゼロになりました。
私自身はがん保険や医療保険、生命保険に加入していたものの、妻の病気などいっさい想定していなかった私たちは、保険の備えも皆無だったのです。
業務委託でブラック企業を転々
もはや仕事の選り好みなどしている場合ではなくなった私は、いちばん早くはじめられて比較的お給料が良かった業務委託の仕事を受けることにしました。
業務委託は通常、プロジェクト毎などの単位で企業と契約を結んで働く(仕事を請け負う)いわば個人事業主のような方法ですが、
私の場合は派遣会社でいったん雇用されて、さらにそこから各企業へ業務委託として送り込まれるだけですから、
業務委託と言ってしまえば聞こえはいいものの、中身は派遣スタッフと何ら変わりません。
まあ、業務委託を必要としている会社なんて、だいたいメチャクチャな案件を強引に進めようとしているような無謀な会社が多いので
労働環境はこの上なくブラックで、人間関係もまともなところなんてありません。
そんなこんなで心も身体もすり減らしながら、3カ月〜半年くらいの仕事を転々とする日々がしばらく続きました。
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離婚しマンションも売却へ
私がそんな状態ですので、妻の面倒を診てあげることもできず、妻と娘はしばらく新潟にある実家で療養することになりました。
しかし妻の治療は長引き、私も毎日終電帰りで土日もまともに休めないような状態が続いていたので、ほとんど連絡を取ることはありませんでした。
そんな私に向こうの両親も愛想を尽かしたのでしょう。
ある日長い手紙とともに、すでに妻の名前で署名・押印がされた離婚届が自宅に届いたのです。
差出人は妻の母からでした。手紙には、妻や娘とも十分に相談した結果、離婚をした方がよいとの結論に至ったという旨が、丁寧な言葉で長々と綴られていました。
私は本人の口から本音を聞きたいと思いすぐに電話を取りましたが…少し考えて受話器をおきました。
そしてゆっくりとその届書にサインをし、ふだんはあまり開けない居間の引き出しから印鑑を取り出し、判を押しました。
不思議なことに私は、悲しさや寂しさをおぼえるよりも先に、心からホッとしてしまったのです。
「もうこれ以上、妻や娘の人生を背負わなくてもいいんだ…」と。
どうやら私は、心のどこかでこうなることを予測し、こうなることを望んでいたのでしょう。
そう考えると、今さら妻や娘にかけてあげられるような言葉なんてありはしません。
せめてもの罪滅ぼしに、私は一人暮らしに持て余していた広々としたマンションを売り払い、妻と娘へその大部分のお金を送ることにしたのです。
そして、私は車中生活者になりました
妻と離婚が成立してから1~2年くらいは、派遣や業務委託でさまざまな仕事を渡り歩きながら、それでもなんとか食べていけていました。
しかし、そのうち徐々に仕事にありつけない時期が続くようになり、とうとうどこからもお声がかからないようになってしまったのです。
よく考えればその時私はすでに40代後半、もう間もなく50歳にもなろうかという人間です。
私なんかより若くて素直な働き手はいっぱいいますし、クライアント側としても自分よりだいぶ年上の人間に仕事を教えたりするのは、それなりにしんどいのでしょう。
私のような人間が敬遠されるのは、ある意味当然なのかも知れませんね。
正社員でしたら年齢が上がればそれなりに昇給したり出世したりで、生活は豊かになっていくのでしょうが…
派遣や業務委託では年齢が上がれば上がるほど煙たがられますし、仕事が選べなくなるので収入は下がります。
要らなくなればすぐに切られてしまいます。
しかたなく私は今までのようなデスクワークだけではなく、警備員やビル清掃、深夜のコンビニ店員などの仕事をしたりしてなんとか生活費を稼いでいました。
しかしそのうちに家賃を払い続けるのが困難になり、とうとう私は車の中で生活をすることになったのです。
もう1~2年ほど車中生活を続けていますが、以前までの生活に戻りたいとは不思議と思いません。
別れた妻や娘のことは気がかりですが、私がこんな落ちぶれた生活をしていると知っても傷つくだけでしょうから、連絡を取るつもりもありません。
夢や希望や意欲なんてものはなく、いつ死んでもいいかなと思っています。
ただ1つだけ思うのは…「もっと違う選択肢があったんじゃないか?」「もっと上手に生きられたんじゃないか?」という気持ちだけです。
皆さんは、どうか私のような人間だけにはならないように、後悔のない人生を歩んでください。
心からそう願っています。
N氏はなぜ転落人生を歩んでしまったのか?
いかがだったでしょうか。
N氏が最後に言っていた「違う選択肢」「上手な生き方」とは、いったんどんなものなのでしょうね。
もっと早く会社に見切りをつけるべきだったのか? あるいは意地でも会社に残るべきだったのか?
人生の早いうちに、将来への蓄えを十分に残しておくべきだったのか? 投資や副業で、会社に依存しない生き方を見つけるべきだったのか?
妻の希望通りに早くから社会で働いてもらうべきだったのか? 万が一に備えて妻にも保険をかけておくべきだったのか?
マイホームは無理せずもっと安い物件を購入すべきだったのか? 早期返済よりも貯蓄を優先すべきだったのか?
変なプライドは捨ててどこでもいいから正社員雇用に喰らいつくべきだったのか? 実家や親せきや友人を頼りにすべきだったのか?
・・・いろいろな選択肢がありますが、正直なにが最良の道だったかなんて、誰にも分かるはずがありません。
人生に正解など存在しないのです。
しかしだからこそ、どんな未来が訪れても後悔することのないよう、できる限りの万全の対策を尽くしておきたいものですよね。
※本記事はインタビューを元にした実話ですが、本人および関係者のプライバシー保護を目的に一部を再構成しています。予め御了承下さい。
[文:Sancho]
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