破滅の罠① 退職金が少ない…
しかし、定年を迎えた私の生活は一変した。
退職目前になって、私の退職金が期待を大きく下回ることが判明したのだ。
転職を繰り返してきたため在職期間が人より少なく、他のプロパーの社員よりも大幅に退職金が少なくなってしまうためである。
これは大きな誤算だった。
もちろん社内規定をよく確認しておかなかった私が悪いのだが、まさか退職金がたった数百万円だなんて…。
このままでは年金の受給が始まる65歳までお金がもたない。
それどころか今のままの生活を続けていれば、たった2~3年で貯金を喰い潰してしまう計算だ。
60歳の時点で会社を去り、悠々自適な老後を送るはずだったのに…。
ようやく事の重大さに気づいた私は、今まで気にも留めていなかった“継続雇用”の制度を利用して定年以降も働く道を選んだ。
会社に頼み込み、なんとかギリギリセーフで再雇用の道を確保することができた…。これでなんとかなるだろう。
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破滅の罠② 再雇用後の給料が少ない
しかしホッとしたのも束の間、今度は再雇用後の給料が大幅に少ないという事実が分かった。
運良くグループの子会社である警備関連の仕事を紹介してもらえたものの、給料は現役時代の1/3程度。
貰えないよりはマシだが、当然ながら今までの生活は維持できるわけがない。
何とか残業代と休日出勤で小銭を稼ぐものの、歳も歳なのでいつまで体がもつか分からない。
疲労と不安で、眠れない夜が続く。どうしてこんな事になってしまったのだろう…。
破滅の罠③ 生活のレベルを落とせない…
案の定、残業も休日出勤にも限界が来てしまい、体を壊して仕事を休むことが増えてしまった。
当然の如く収入は減るわけで、家計は自転車操業に陥ってしまった。
それもそのはず、家賃も食費も交際費も車の維持費も…月にかかる生活費は現役時代と変わらないのだ。
生活レベルを落とさないと破産してしまうことは分かっている…分かっているのだが、なかなかそのための行動を移すことができない。
ご近所の目も気になるし、現役時代の友人との付き合いもある。急に生活レベルを落としてしまっては、どこで何を言われるか分からない。
そんな屈辱、私には耐えられない…。
そうこうしている内に、とうとう私の貯蓄は底をついてしまった。こうなってしまってはどうしようもない。
どうしても月の生活費が足りない時は、大切なコレクションであった腕時計、インテリア、デザイナーズ家具などを一つひとつ売却しながらなんとか喰いつないでいった。
破滅の罠④ 年金が少ない…
しかし悪いことは続くものだ。待ちに待った年金の受給額も、私の期待を大きく裏切る金額だった。
私はたった17万円/月にも満たない年金で、残りの人生を過ごしていくことになった。
現役時代は40万円~50万円を生活費に使っていたのだが、つまりこれからはその半分未満で生活をしていかなくてはならないという事である。
私はついに愛車を手放し、広く快適なマンションを諦め、築30年をこえるアパートに転居することにした。
今までの部屋に比べれば天と地の差だが、こうなってしまっては止むを得ない。
…しかしもっと早くに決心ができていれば、もう少しマシな老後を過ごすことができていたのに…。後悔ばかりが頭をかすめる。
※文中の年金額については、個人的に将来予測される仮説を書いたものであり、現時点の制度・受給額とは異なる場合がございます。
破滅の罠⑤ 家賃は死ぬまで続く…
私が犯したミスの最たるもの、それは住宅を購入せずに生涯“賃貸派”で過ごしてきたことであろう。
収入がゼロになってしまっても、年金が期待を大きく下回ってしまっても、生きている限り家に住み続けなくてはならない。
死ぬまで家賃を払い続けなくてはならないのだ。
同年代の人間たちは皆、とっくのとうに住宅ローンの支払いを終えている。
住宅費がかからないならば、17万円の年金でも余裕のある生活を送ることができたであろう。
私の場合は年金の半分程度が家賃に消えていくので、10万円程度で暮らしていかなくてはならない。
あれほどリッチでセレブな生活を送っていた私が、まさかこんな底辺の生活を味わうことになろうとは…。
なるべくひっそりと、死んでいきたい。
毎日が、ただただ退屈で苦痛である。
死にはしないが、生きている喜びを感じることは、皆無だ。
友人にも親戚にも今の生活を知られたくないので、なるべく人を近づけず隠れるように毎日を過ごしている。
寂しさを紛らすため、自然と酒の量が増えていく。
しかし酒で体を壊したら“一発であの世行き”だ。
なぜなら私には、甲斐甲斐しく尽くしてくれる妻も、面倒を見てくれる子供たちも、人を雇えるお金すらもないのだから。
今、私は一日のほとんどを新宿駅のプラットホームで過ごす。
かつて毎日通っていた賑やかな街を眺め、その喧騒を肌に感じることで、なんとか“自分が生きている実感”のようなものを得ることができている。
足早に通りすぎる人々の群をただぼんやりと眺めながら、「あいつは私よりも幸せだろうか?」「あの爺さんよりは、私の方がマシだろう。」…などと、くだらない人間観察をするのが私の唯一の楽しみである。
まぁ、これはこれで“私らしい人生の結末”なのではないかと、最近は無理矢理にでも思うようにしている。
このまま誰にも知られずに、ひっそりと死んでいければ良いのだが――。
いかがでしたでしょうか?
金銭的にも経済的にも充実した現役時代を送っていたはずの冬枯さん。しかしその老後は生活が一変、寂しく不安な毎日を過ごす結果となってしまいました。
では、もう一人の独身男性・福富さんは、どのような人生を送ったのでしょうか?
[文:Sancho]
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